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hungry travelog
美しい海。うまいメシ。豪華なホテル。アジア方面の旅の記録。
≪02月   2024年03月   04月≫
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クアラルンプールのセントラル・マーケットでの続き。私はチキンライスを食って、連れはカレーヌードルを食った。以前のエントリでもカレーヌードルを食ったところを紹介したが、すっかり気に入ったようだ。今回は店のメニューを載せておこう。カレーヌードルは5.50リンギット、およそ150円。まあフードコート価格としてはだいたいこんなもんだろう。



更にセントラル・マーケット内をうろうろして、いい加減疲れてカフェに入る。前から「ホワイト・コーヒー」という看板を色んなところで見かけて気になっていた。白コーヒー?どういうものだ?と興味津々だったのだが、どうも単なるブランド名だったようで、普通に茶色いコーヒーが出てきた。いや、普通というか、マレーシア風に普通の「コピ」だけど。ここでもやっぱりれんげがついてくる。
アジアのコーヒーについてはいつかちゃんとまとめ記事を本家サイトに書こうと思っていたら、なんと事もあろうにWall Street Journalに同じネタで先を越されてしまった。昨日(2009/11/6)発行のWeekend Editionにアジアのコーヒーの特集記事があって、マレーシアのKopiも紹介されている。まあ、そもそも日本人でWall Street Journal読者はそうそう多くないと思われるので、別にネタかぶってもいいんだけどさ。



セントラル・マーケットを出て3分ぐらい歩くと、チャイナタウンの商店街の入り口。アジアのどの都市にもある雑然としたマーケットで、食い物屋台や、怪しい偽ブランド品を売る店が並ぶ、猥雑な雰囲気だ。客引きもダンナ、とか日本語で声をかけてくる。ここじゃなかったかもしれないが、いつかどこかで「ブチョウ、ブチョウ」と声をかけられて笑った。ブチョウじゃねーよ(笑)



もう疲れてホテルに帰ろうとしてたので、焼きたてのサテーを買って持って帰ることにする。焼いてるところは日本の焼き鳥と同じなのに、そこにつけるタレが全く違うってのは面白いものだ。



ホテルに帰って、サテーを取り出し、別袋でつけてもらったピーナツソースをたっぷりかける。香ばしく、少し甘いソースがうまい。フレンチとかでも肉を甘い味付けで食うことがあるし、和食でも特に煮物はみりんや砂糖で甘くすることは普通にあるわけで、全く違和感なく食える。マレーシアに行く人は必ず食っていただきたい。



本家サイトに詳しく書いたのでそっちも見ていただきたいが、カルコサ・セリ・ネガラの2階の一室がラウンジ(共用スペース)になっている。例によって他のお客さんは誰もいないので、完全独占状態。豪華な空間で誰にも邪魔されずソファにでれっと横たわり、KLタワーとペトロナス・ツインタワーの夜景を遠くに望む。すごい。凄まじく贅沢な空間だ。



夜は暮れ、カルコサでの最初の朝を迎える。
クアラルンプールの、全室スイートの最高級ホテルカルコサ・セリ・ネガラにて。部屋を満喫したあと、まずは名物というアフタヌーンティーを予約。
「アフタヌーンティー」と「ハイティー」という言葉が混同して使われてることがよくあるが、もともとアフタヌーンティーが英国の上流階級での習慣だったものであるのに対し、ハイティーとは庶民・労働者階級のものであり、そもそもコンセプトとしてまったく相容れないものである。参考
そんなわけで、旧英国大使公邸であるカルコサでのアフタヌーンティーには伝統と格式がある。よそのホテルからわざわざこのためだけにカルコサまで来る、というツアーまであるそうで、実際、ほとんど他の宿泊客らしい姿をほとんど見かけなかったのに、3時ぐらいになるとやけに人が多くなり、ツアーガイドというか運転手っぽいのがその辺でぶらぶらしたりしていた。



君たち一見さんとは違ってこっちは宿泊客だよ、というオーラを漂わせるよう努力しつつ、まあ普通におやつ感覚で3皿たいらげる。
じゃ、ちょっと散歩に出ようか。
庭が広い。起伏のある地形に、一面の芝生と、道沿いにそびえる大きな木。まあ、言ってしまえばそれだけで、いわゆる日本庭園みたいな造形を楽しむものではない。しかしホテルの敷地の外がさらに公園になってるだけあって自然は豊富で、猿の家族が暮らしてたりする。レダン島でも見かけたしKL市内でもリスとかよく見かけたので、もうあまり驚かなくなっているが、しかし奴らがマンゴーを食ってたのには驚いた。



ホテルの敷地を出て(まずここまでで5分は歩く)、山を下って、15分ぐらい歩くとこういう景色が見えてくる。大きな公園と、その周りをぐるぐると囲む立体交差の高速道路があるだけのエリアなので、街らしい光景は何もなく、唐突にヒルトンとメリディアンが現れる。両ホテルのふもとが、KLセントラル駅だ。この隣にいくつかビルが建設中なので、それができればもう少し楽しい街になると思うが、今のところこのエリアはあまり遊べない。その辺りの詳細は本家サイトのKLヒルトン滞在記で。
と、ここで注目して欲しいのは道。路側帯としか言いようのない、数十センチの幅、ここが、まあ歩道に相当する。本当にこれが歩行者用を意図して作られた空間なのかは知らないが、とにかくここしか歩くところはない。KLは道路は綺麗だが、こういう歩行者のことをまったく考えない道も多い。幸いあまり車がびゅんびゅん走ってるわけでもなく、怖い目にはあわなかったのは、祝日で交通量が少なかったおかげか。



KLセントラルから電車に乗る。隣の駅まで1駅乗るだけだと、15円ぐらいで行ける。マレーシアの物価を考えても、かなり安い。
パサール・セニで降りる。KLの中心地というわけでもないが、色々面白いエリアだ。後で行くチャイナタウンがなんといっても目玉だが、かつて交通の要だった旧クアラルンプール駅とか、国立モスクもここからすぐだ。



まず向かったのはセントラル・マーケット。1888年にできたという非常に歴史のあるマーケットで、かつては地元の人のための文字通りの市場だったようだが、今は観光客向けの土産物屋街。飾り物と衣類が中心で、バティック柄と呼ばれる織物が見物。2階にはフードコートもある。この付近はけっこうローカルな雰囲気が強いので、観光客も安心してゆったりできるという意味では、活用できるフードコートだ。ここでチキンライスを食う。



日本でチキンライスといえば鶏肉を少し入れたケチャップ味のチャーハンを主に指すが、東南アジアでチキンライスと言えば、チキン出汁で炊いたご飯に蒸し鶏や焼いた鶏を添え、しょうがの味付けで食べる料理だ。マレーシアのほかタイやシンガポールの名物料理でもある。タイでは主に蒸し鶏なのに対し、マレーシアでは割とバラエティがあり、皮をかりっと焼いたものとか、蒸してぷりっとした感触を残したものとか、唐揚げっぽく衣をつけて揚げてるものとか、色々ある。付け合わせにきゅうりが出てきがちなのも、こっちの地方では当たり前だが日本にはあまりない食習慣だ。まあ、食ってみればわかるが、パリパリしたきゅうりの食感、みずみずしく自己主張のない淡い味は、なんとも言えずこっちのメシに合う。



セントラル・マーケットは、2階建ての中にびっしりと店が立ち並び、まじめに見ていると相当疲れる。ただ、KL土産を買うにはこれ以上のところはないだろう。空港は建物がぴかぴかなのにあわせて免税店もきれいな店ばかりで、あまりベタベタな民芸品とか売ってる店は多くないし。
この後、すっかり疲れてホテルへ帰る。
カルコサ・セリ・ネガラに到着。
1904年に当時のマラヤ連邦の英国大使公邸として建てられた由緒ある建物が、今はわずか13室、全室スイートルームのブティックホテルとして営業されている。建物の歴史的価値だけでなく、広大な庭園やバトラーサービスなどあらゆる面でクアラルンプールの最高峰に位置するホテルだ。
が、なぜかKLってほんとにホテルが安い。リッツみたいな欧米系超一流チェーンでも2万円台で行けるし、実はこのカルコサも、2万円台で泊まれるのだ。
空港から市街地を抜け、大きな公園の周りを走る立体交差の高速道路を複雑にくねくねと回って、途中から丘を登りはじめる。山道をしばらく登るとカルコサの看板が現れ、5分ほど山を登ったところでカルコサが姿を現す。
門で守衛が番をしてるのは、なんか
ホテルに到着するや、まずは担当のバトラーが出迎える。そしてオーナーが登場して挨拶。入り口を入ると、まずこんな階段。なんか映画で見た貴族の家みたいな。というか実際のところそれも遠からずだ。



チェックインカウンターなんて野暮なものはなく、まずは部屋に通されて、部屋でゆったりチェックイン。



上の写真はドアから入ってすぐの位置からみたリビングルーム。ここだけでも、並のホテルの一室より広い。
続いて奥の部屋、ベッドルーム。リビングよりさらに広く、いったい何畳ぐらいあるのか目分量では計測不能。



ベッドルームと続いている洗面所。ここだけで8畳ぐらいある。頑張ればここに一部屋作ることも可能。写真で右手奥に行くとトイレと、これまたゆったり広いバスルーム。



そして、ベランダ。これも10畳ぐらいはあるだろうか。っていちいち貧乏くさいか。部屋から出てくるとむっと南国の熱い空気に包まれるが、なんだかとても居心地がいい。



ベランダからの眺め。町の喧噪とはまったく無縁で、一面の緑。丘のてっぺんなので遠くまで景色がよく見える…のだが、実際は高い木に囲まれているのであまり見えない。が、KLタワーやペトロナス・ツインタワーのような飛び抜けて高い建物は、さすがに見える。
なんか避暑地というか別荘地みたいな雰囲気だが、実はKL市街の中心地から車で15分ぐらいしか離れていない。



このホテルについては、本家サイトのほうにもっと詳しくたくさん写真も載せているのでそっちもあわせてご覧下さい。次のエントリでは町に遊びに出かけよう。
とうとうレダン島を離れるときがきた。
レダン空港は、ベルジャヤ航空がクアラルンプールとの間と、シンガポールとの間を1日に何回か結ぶだけ。チェックインカウンターとか完全に人力。ここでまた荷物の重量オーバーといって超過料金をとられるが、12キロ超えてるけど往路が6キロ分だったので6キロ分でいい、などと謎のディスカウント。X線の荷物検査は一応やられる。



ベルジャヤという企業はリゾート経営や航空会社だけでなく色々手がける大企業のようで、おそらく高級なイメージの企業なのだと思う。飛行機もいかにも真新しそうで非常にきれいで、小型機にしてはやけに安定感があった。
例によって空港の待合所からは徒歩で乗り込む。ほとんどバス感覚。



飛び立つとまもなく、Part 14で紹介したマリンパークが見えてくる。上空から見てもきれいな海であることがわかる。



少し海の上を飛んだあと、すぐにまた陸地が見えてくる。マレー半島だ。これからマレー半島を西から東へ横断する。陸の上を飛び始めてからほどなくして、エメラルドグリーンのきれいな湖が見えてきた。なんだか不思議な色で、何か特別な湖なのかと思って後から調べたが、おそらくこれはマレーシア最大の湖であるKenyir湖(読み方はわからん)。リゾート地として、それなりにホテルとかもあるようだが、熱帯のジャングルに囲まれているので大自然の中でのアドベンチャーとか好きなら要チェックかもしれない。



1時間ほどのフライトであっさり空港到着。ここで、KLの宿泊先が手配したリムジンが待機しているはずが、誰もおらず…。しばらくうろうろした後ホテルに電話してみたら、「いえ、手配してませんよ」と、しれっと言われた。何度かメールのやりとりをして絶対に頼んだのは確実なのだがここで争ってもしょうがないのでタクシーで行くことにする。



ま、とりあえずメシでも。ごく一部の国内線でしか利用されていない旧国際空港、という割には職員っぽい人とかけっこういるし、貨物便とかほかの用途ではそれなりに使われているのだろうか。
何件かあるレストランは、外国人向けの洋食系を除けば中華、マレー系、インド系とはっきりカラーがわかれている。今回はインド系にチャレンジ。やっぱり、変に外国人向けにアレンジしたものではない、地元の人向けの食事というのは、美味い。日本人向けにマイルドにアレンジする、なんてのは、「本来いちばんおいしい味付け」をわざわざ変えているわけで、そんなことしないで欲しい。日本で営業しているエスニック料理屋の皆さん、よろしく。とくにタイ料理屋さん。



タクシーカウンターで行き先を告げるのに一苦労。実は今回泊まるホテルはカルコサ・セリ・ネガラという、KLの名門ホテル。VIP向けであるばかりか全13室しかないため、観光客が頻繁に行くところではない。山の中にぽつんと建ってるので場所も説明しずらいし、名前も言いづらいし、そもそもみんなこの存在を知らないし、ということで結局カウンターではどこだか理解してもらえず。タクシーに乗り込んで運転手に告げ、本で綴りを見せたら、「おおーー、知ってるよ!看板を見たことがある!長い運転手人生の中で初めて行くよ!」と興奮して饒舌に。何かと説明しながら運転してくれる楽しい旅となった。
レダン島で最後の夜。本当はここに4泊するのが理想だったのだが、ちょっと予約に動き出すのが遅かったので3泊しか取れなかった。その分、前後にKL滞在をくっつけて、マレーシアの都会とリゾートを両方満喫するプランにした。
夜のレストランのようす。かなり暗い写真になってしまったが、まあ実際のところかなり薄暗い。毎晩中国系、インド系、白人、そして我々日本人の宿泊客が集う、かなりインターナショナルな雰囲気の場であった。



真っ暗なのであまり遠くには出歩けないが、近所に少しでかけてみる。飲食店のほか、飲み物など日用品を扱う店と、こういう小さい土産物屋が何件かある。意外とこういう土産物屋というのは捨てたものではなく、よくよく見ていると色々欲しくなる。私はTシャツといえば旅先で買うものとほとんど決まっているので、何枚か購入。



一夜明けて、最後の朝。名残惜しい数時間。
まだ誰も歩いていない真っ平らなビーチを歩く。本当に粒の細かい、きれいな砂だ。このあたりの浅瀬は砂か珊瑚で、海草のエリアはほとんどないので、海草の破片みたいな漂着物もない。あれはあれで自然の豊かな海の証拠なのだが、見た目は美しくない。それに比べて、この海岸の美しいことといったら。もちろん、缶とかビニールの漂着物なんて言語道断。
世の中で盛んに言われれば言われるほど、私には「エコ」って胡散臭いものに思えてしょうがないのだけど、この自然を守ろうという気持ちは、自然に湧いてくる。別にこれが「エコ」という新しい概念なのではなく、むしろ自然と共存して生きてきた人間の本能に近いものだと思うけど。
帰りに空港で買った「A Malaysian Journey」という本、まだ読んでる途中なんだけど、これによるとレダン島は開発が進んで昔に比べて珊瑚礁がどんどん減っていて、「いったいなんでレダン島までわざわざ行ってゴルフをするのか」と憤っている(レダン島にゴルフ場があるのかは私は確認できなかったが、そういう記述がある)。



ボートに乗って桟橋を離れた。



ボートの後、またタクシーを乗り継いで到着したレダン空港。木が生い茂る丘のふもと、マングローブが広がる湿地帯。そこに唐突に人工物が現れる。少し離れたところに農家があるようで、働く人の姿を見かけたが、商店とか、いわゆる町はまったくない。
空港というのは実際のところこのぐらいの大きさで機能的に事足りてしまうものなのか、と思わされる。おそらく、観光業者の事務所や土産物店でも入居させようとしたのだろう、これでも空き部屋がいくつかあった。



壁に掲げられた王様一家の写真。
マレーシアは、タイみたいに王様への信奉が厚いわけでは決してないと思うが、何カ所かでこうやって写真を飾っているのをみかけた。日本ではあまり皇室ご一家の写真を公共の場に飾っているのって見かけないと思う。
マレーシアというのはもともと複数の地域国家の連合体で、今でも、その頂点に君臨する最強の王様がいるわけではない。王様は5年の任期が来ると交代し、地方のスルタン(首長)の中から次の王様が選ばれる。いまWikipediaで調べてみたら、現在のアビディン国王というのはレダン島も含むトレンガヌ州のスルタンのようだ。だからこそ写真を飾って地元の王を敬愛してるのかもしれない。



ではいよいよ飛行機に乗り込み、一路KLへ。
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