hungry travelog
美しい海。うまいメシ。豪華なホテル。アジア方面の旅の記録。
≪09月   2017年10月   11月≫
1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30  31  
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Food Culture in Southeast Asia


東南アジアの食文化。食べ歩きとか、うまい店紹介とか、或いはレシピ本、なんてのは日本でたくさん出版されている。面白おかしく、軽く読めるものは多いが、深みはない。一方で食文化としてしっかり捕らえているものとなるとかなり学術色の強いものになってしまい、読んでて面白くない。
この本は、東南アジアの食文化についてかなり多面的にアプローチしており、非常に興味深く読める。まず第一章がいきなり東南アジア各国の歴史だ。食の話が読みたい人には退屈なイントロだが、文化としての食を理解する上で最低限必須の前提知識だ。続いて主要な食材について。以下、調理方法、代表的なメニュー、外食、特別なイベントでの食事、最後に健康や栄養学の観点から。
著者は文筆の専門家ではないようなので、「それ前も書いてたよ」という繰り返しの記述がけっこう出てくる。また、著者はどうもラオス在住だったようなのでラオスの情報が多い。しかし東南アジアの食に興味を示す人でも、ラオス料理なんていうマニアックな料理に興味がある人がどれだけいるかを考えると、相対的に価値の低い情報が多い気はする。
しかし、東南アジア各国の食について多角的に分析し、比較し、論じていて、しかも気張らずに読める非・学術的な本は、そうそう世の中にあるものではない。
例えばこんなエピソード。東南アジアはベトナム戦争やラオスの内戦やカンボジアのクメール・ルージュ政権下などが大量の難民を生んだ。アメリカにも、かなりの数のベトナム系やラオス系移民がいる。その一方、比較的社会が安定しており、植民地支配も受けていないタイ人には、外国への移民が少ない。アメリカでも、タイ系アメリカ人というのは非常にマイナーだ。
その一方、アメリカにはベトナム料理やラオス料理やカンボジア料理屋よりも遙かに多くのタイ料理屋がある。それはなぜなのか。「タイ料理はおいしいから」では説明にならない。
実はタイ政府がしっかりとイメージ作りをして、タイ料理と、それを代表する料理「パッタイ」を1940年代以降、世界に広めたのだそうだ。タイに数ある麺料理の中でもパッタイが外国人に圧倒的によく知られているのは、そのプロモーションと、簡単に覚えられ、発音できるネーミングのおかげである。また、アメリカにはタイ人はあまり居ないので、タイ料理屋の厨房でタイ料理を作っていたのはラオス人だった。
てな感じの興味深いエピソードを交えながら、東南アジア各国の食文化を比較していく。東南アジアでもやや異色のフィリピンについては非常に言及が少ないし、前に書いたようにラオス情報が多いところにアンバランスさは感じるが、これは東南アジア好きとしては非常に面白く、一気に読んでしまった。
ちなみにこれはシリーズ物で、ヨーロッパ各国編とか中国編とか、色々出ている。
Kindle版、Amazon.comにて9.99ドル、英語。
関連記事
スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
URL :
コメント :
パスワード :
管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
Template designed by アクセラと+αな生活

Powered by .
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。