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hungry travelog
美しい海。うまいメシ。豪華なホテル。アジア方面の旅の記録。
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イラン中部の古都、イスファハーンの宿はサファヴィ・ホテル。この、壁から天井まですべてが豪華絢爛に飾られた朝食会場の写真だけを見せるとすんごい豪華ホテルだと思われそうだが、共有エリアの豪華さに騙されてはいけないことは、インドで学んだ。イランも同じノリで、外観やロビー、食堂あたりは豪華なのだが、部屋の中はものすごく殺風景で、手入れも行き届いていない。寝るだけのところだと割り切らないとやってられない感じで、ちょっと寂しい。

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さあ、気を取り直して観光開始。
ガイドと一緒に徒歩でツアー開始。ガイドはサミュエル・L・ジャクソン風のルックスなのでサミュエルLと呼ぶことにする。そういえば前日のシーラーズでのガイドは、トミー・リー・ジョーンズ似だった。宇宙人だったのかもしれない。
ホテルからほんの5分ほど歩いたところで路地を入って行くと。。。
目の前に広がったのは、世界遺産・イマーム広場!
(分かりやすい写真を使ったけど、これは後で建物の中に登って撮ったもの。これが広場の半分で、左を向くと同じ広さの庭園が広がる)
かつて、あまりの豪華さに、ここは「世界の半分」であると形容されたという。なんか日本語にするとちょっと変な語感だけど。世界の半分って。

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そして、これを見るためにイランまで来たんだよ!というモスクについにご対面。世界遺産であるこの広場には、四方向にそれぞれ一般大衆用のモスク、王様用のモスク、宮殿、市場への入口の門がある。これを取り囲むアーケードにはびっしりと土産物屋などの商店が並ぶ。イランの手工芸品の半分だか6割だかは、イスファハーンで生産されるそうで、そういう「製造直売」が多いようだ。

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どんよりと曇って、寒い。前日のシーラーズは長袖だと汗ばむぐらいだったが、この日はダウンを着ていても寒い。この時期、この地方は天気がいいことが多いらしいのだが。
一般の観光客はまばらだが、社会科見学の子どもたちの集団がやけに多い。お揃いの制服を着たイラン人の小学生が多いが、ひときわにぎやかで統率がとれてない集団がいる。おっと、なんか駆け寄ってくるぞ。うわーと囲まれ、握手攻めに合う。あはは、芸能人ってこういう気分なのかね。ほんとに外国人が珍しいんだろうなーと思ったら、この子たちは、隣国アフガニスタンから来たという。
色々考えさせられた。アフガニスタンなんて社会がまともに機能してないんじゃないかなどと勝手に考えていたが、子どもたちを隣国イランへの旅行に送り出せるような仕組み、秩序、あるいは経済が存在していること。
たかがカメラを向けただけで、楽しそうに駆け寄ってくる純真な子供たち。彼らにはどんな未来があるのか。
「国際」社会からは白い目で見られているけど、やっぱりイランは地域先進国であり、周辺から人が集まる存在だということ。

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イマーム広場は17世紀に建設されたものだが、さらに遡ることおよそ千年、8世紀に建てられたモスクが、数キロ離れたところにあるマスジェデ・ジャーメ(金曜モスク)。こちらは2012年に世界遺産に登録されたばかりだ。
石がむき出しになっていて、建物の中も照明とかなく、薄暗いままなのだが、それだけに重厚さを感じさせる。イランはそれなりに地震のある国だが、1300年の間それを耐えぬいてきたわけだ。
もちろんその間に幾度も修復はされており、最近のものではイラン・イラク戦争で爆撃された傷跡があるそうだ。

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モスクの中で、絨毯が敷いてあるところは、人々がお祈りをする場所。こうやるんだ、と頼みもしないのに祈る姿を見せてくれるガイド。コーランの一節を高々と唱えながら、跪いてお祈りする。うわーしびれるぜサミュエルL。外見は気難しそうなくせに。

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その後色々と観光して回るが、雨が降りだし、結局一日中降り続いた。
途中、ロンドン在住のオーストラリア人観光客と意気投合し、行動を共にする。
イランはもちろんイスラム国家なのだが、一部に治外法権的なエリアがある。かつてこのイスファハーンに都を築くにあたり、時の王アッバース1世がアルメニアから職人を連れてきて、彼らに信仰の自由を与えたためにキリスト教会が建てられた。ただ、やっぱりこのイスラム社会のど真ん中にキリスト教会ってのは座りが悪いので、周囲から標的にされたりしないように、外観はモスクそっくりの建物にしたという。確かに、外見はモスクに見える。実は玉ねぎ型ドームのてっぺんには小さな十字架が掲げられているのだが、よほどよく見ないとわからない。今でもこの辺りのアルメニア人居住区には、一般のイラン人は近づけない(近づかない?)エリアがあるとか。

教会の隣は博物館になっていて、古い聖書のほかに、アルメニア人の迫害の歴史コーナーがあったり、なぜか「世界最小の本」とか「髪の毛に書いた文字」とかいうマニアックな展示も。僕はてんで疎かったのだが、アルメニア人の迫害の歴史というのはヨーロッパ人には馴染みが深いようで、同行のロンドン在住ビジネスマンはいたく熱心に学芸員の説明を聞いていた。トルコがアルメニア人を迫害し、第1次対戦の頃、200万人を虐殺した、という。
一方のトルコは、後にそれを謝罪するどころか、そもそもそんな問題は存在しない、という。なんかどこかの国と同じような言いぶりだ。これ故に、トルコはなかなかEUの仲間に入れてもらえないという話もあるらしい。

アルメニア人大虐殺は別にイランとは関係ないので、この教会で展示する必然性はないのだが、まあアルメニア人の重要な歴史、ということなのだろう。

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さて、観光はここまでなのだが、この日は、ここから先が長い。
あまりにも長いので、次回。



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コメント
この記事へのコメント
世界の半分..歩いてみるのが大変そうですね~。
アフガニスタンのこと、書いていただきありがとうございます。
とても勉強になったというか、私もアフガニスタンの子供たちが国の外に出られるなんて思ってなかったので、今回この記事を読んで知ることが出来て良かったです。
でも写真を見るとやはり女の子はいないですね。女の子も出れるようにいつかなるといいな。
2013/01/03(木) 18:40 | URL | prego #-[編集]
Re: タイトルなし
pregoさま こんばんは!

> 世界の半分..歩いてみるのが大変そうですね~。

確かに広いです。うろ覚えですが、「広場」としては天安門広場の次に広いとガイドが言ってたような。。
日本に「広場」ってあるんですかね?

> アフガニスタンのこと、書いていただきありがとうございます。
> とても勉強になったというか、私もアフガニスタンの子供たちが国の外に出られるなんて思ってなかったので、今回この記事を読んで知ることが出来て良かったです。

アフガニスタンの子供たちの中に一人だけやけに英語の堪能な子がいて、隣国イラン人のガイドでさえ、それには驚嘆して後々まで話題にしてました。
ほんのちょっとした出来事ですけど、彼らに偶然遭遇できたのは、僕にとってもいい体験でした。

> でも写真を見るとやはり女の子はいないですね。女の子も出れるようにいつかなるといいな。

イラン人も含めて、子どもたちはみな男女別々の集団だったので、もしかすると、どこかにアフガニスタンの女の子たちもいたのかもしれませんね。
2013/01/04(金) 01:27 | URL | hungrykaz #-[編集]
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