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美しい海。うまいメシ。豪華なホテル。アジア方面の旅の記録。
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Asia Innovation Awardsに想う
9月15日付 Wall Street Journal 27面より
"ANZ mobile service targets Cambodia"

(これは新聞記事の翻訳や要約ではなく、記事を部分的に引用しながら自分が思うことを書いたものです)

カンボジアの人口1400万人のうち、銀行口座を持っているのは50万人ほどらしい。
もちろんカンボジアにも貯金や送金のニーズはあるが、支店やATMの数が少ないことから、金融機関はあまり機能していないようだ。例えばプノンペンなどの都市に出稼ぎに来ている人が、田舎の家族に金を届ける手段として、タクシーの運転手に託する、なんてこともあるらしい。が、これはリスクが高いし手数料も高い。
一方で、携帯電話はここ数年であっという間に一般庶民の間にも普及した。これを、送金のインフラとして活用してしまえ、とオーストラリア・ニュージーランド銀行が進出した。


(画像はWall Street Journalサイトからの引用)

WINGというサービスは単純なもので、今は機能が送金に限られているし、現金を引き出すためには結局国内に500カ所というATM(彼らはそう呼ばずにCash X-Pressと呼ぶ)に行かなければならない。しかし2009年に始まったばかりのこのサービスには既に15万の契約者がいるというから、ニーズがあるのは間違いない。

日本の金融機関は、ようやく東南アジア(の中の先進国)にようやく進出し始めた。しかしそれは、ほとんど全て現地に既に進出している日系企業や、せいぜい現地の大手企業・現地の富裕層目当て。現地の金融機関とは提携関係にありたいので、直接的な競争を避けたいという理由かもしれないけど、やっぱり現地にとことん入り込んでいこうという姿勢は感じられない。HSBCが自らを"The World's Local Bank"と呼んでいるのとは対照的なイメージだ。
日本の製造業のアプローチは、違うと思う。海外に進出し、現地人を雇い、技術を伝える。始めは日本向けの製造ラインのコスト低減が目的でも、次第に現地向けの商品が揃ってきて、現地の産業として育つ。タイの自動車産業なんかがその代表例だろう。

どうして同じ日本人なのに、金融機関は、海外に腰をどっしり据えたアプローチができないのだろう。
金融機関はお役所と似て、2~3年ぐらいで定期的にローテーション異動してしまう人事制度がある。日本の役所に専門家が育ちにくいのはこの制度の弊害とも言われるが、金融機関にも同じ事が言えるのではないか。初めて進出した海外で、ビジネスを立ち上げ、根付かせるには、5年、10年のスパンで物事を考えなくてはいけないのに、どうせ自分の任期は3年で、日本に戻ればエリートのポストが待っている、と思ってしまえば、自然と近視眼的なビジネスになってしまう。1トランザクションあたり50円程度のWINGのようなビジネスが、今の日本の金融機関で認められるはずはない、と思う。

欧米の金融機関が南アジアなどに進出してくるのは、発展途上の社会インフラ構築を助けるという人道支援的な色あいを前面に出しつつ、当然ながらこれが今後ビジネスとして大きく成長すると判断したからだ。マイクロファイナンスで何千万、何億という顧客候補を今のうちに囲い込んでおくのは、大金をつぎ込んでテレビや新聞にCMを出すよりも効果があると思う。

この記事は連載物で、Wall Street Journal紙が主催したAsia Innovation Awards 2010の最終選考に残った12事業を順番に紹介していくもの。
最終選考に残った12事業の内訳は、オーストラリア1、カンボジア1(今回紹介したもの)、中国3、香港2、インド3、シンガポール2。カンボジアも実質的にはオーストラリア企業が仕掛けたものとしてカウントすれば、今のアジア地域の勢力図そのものになる。日本の姿はそこにはない。

適切な例えかどうか分からないが、戦前・戦中、日本人はアジア太平洋に進出し、そこに道路や学校などの社会インフラを築いてきた。もともとそういうことを、やろうと思えばできる人たちだったのに、戦後の「戦争はすべて日本が悪」といういわゆる自虐史観のせいで萎縮してしまい、戦後65年も経過した今でも、日本人の心に根をはってしまっているような気がする。

そんな教育に「おかしい」と感じている人はそれなりに多いと思うのだが、これを正していくには、今後何十年かかるのだろう。

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