hungry travelog
美しい海。うまいメシ。豪華なホテル。アジア方面の旅の記録。
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「The Geopolitics Of Emotion(邦訳:感情の地政学)」というのは、よほどこの分野に興味がなければ読む気をそそるタイトルではないかもしれない。
国際関係というのは、いわゆる政治や経済の関係だけでなく、もっと人間の本能とか感情に近いレベルで(も)動かされているのだという主張は、サミュエル・ハンチントンの名著「The Clash Of Civilizations」など、欧米ではそれなりに色んな本も出ているのだが、日本ではそもそも「地政学」という学問がマイナーなこともあり、日本人著者による本というのは、センセーショナリズムを売り物にした俗っぽいやつ以外は、あまり見かけない。

この本の主張は、世界は「恐怖」「屈辱」「希望」といった感情によって動かされている、ということ。前半ではアジア・ヨーロッパ・南北アメリカ・中東と地域別に実例を挙げながらそれを解説する。ざっくり言うと、新興国が一律にぐんぐん成長している唯一の地域・アジアは、「希望」と結びつけられる。アフリカや中東からの移民、それに伴うイスラムなどの異文化の流入、その一方で自分たちは既に成熟した社会になっており、自分たちの力だけでの成長にはもはや限界にきている、というヨーロッパは、「恐怖」と結びつけられる。そして、多くの国がイギリスの植民支配を受け、今もアメリカにより蹂躙される中東は「屈辱」と。こうやって単純化して書いてしまうと乱暴だけど、この本をちゃんと読むと、けっこう納得できる。

終盤の章は「The World in 2025」として今の延長線上で行くと世界はこうなっている、という近未来予想図が描かれるが、例によってガイジンのステレオタイプで日本は軍備を再強化した、とか描かれてるし、この章は蛇足だと私は感じる。

著者ドミニク・モイシはフランス人で、もともとはフランス語で出版されたものが英訳され、ベストセラーになった。邦訳版は未見。けっこう薄い本なので分量的には一気に読めてしまうのだが、扱っている情報の多さ・深さを考えると、そうそう短時間で一気に飲み込めるものではないので、一気読みしてしまうとその真価を理解しないまま、物足りないと感じてしまうかもしれない。そういう意味では、少しずつ咀嚼しながら、じっくり読むといいと思う。
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